相続放棄と空き家に関するQ&A
- Q相続放棄をすると空き家はどうなりますか?
- Q全員が相続放棄をすれば、空き家の所有権は自動的に国に移りますか?
- Q相続放棄をすれば、空き家はそのままにしても問題ありませんか?
- Q相続放棄をしたら、空き家に関する税金を支払わなくてよいですか?
Q相続放棄をすると空き家はどうなりますか?
A
まず、相続放棄をしても、他に相続人がいる場合や、次の順位の相続人がいる場合には、その相続人の方々に空き家の所有権(複数人いる場合には共有持分権)が移ります。
そのため、その相続人の方々が空き家を管理したり、居住や売却などをすることになります。
空き家に住んでいたなど、空き家を現に占有している場合には、次の相続人に引き渡すまでは自己の財産におけるのと同一の注意をもって空き家を管理する義務があります。
もし、ご自身が最後の相続人であり、空き家を現に占有している場合には、相続財産清算人に引き渡すまで管理する必要があります。
Q全員が相続放棄をすれば、空き家の所有権は自動的に国に移りますか?
A
結論から申し上げますと、相続人全員が相続放棄をしても、空き家が自動的に国の所有になるわけではありません。
相続人全員が相続放棄をした場合、空き家は一旦相続人不存在という状態になります。
相続人不存在の状態を解消するためには、家庭裁判所で相続財産清算人選任の申立てをし、相続財産清算人に空き家の管理、処分を任せる必要があります。
なお、一般的には、空き家は相続財産清算人が売却をします。
どうしても空き家の買手がつかない場合、例外的な処理として国に収めるという流れになります。
Q相続放棄をすれば、空き家はそのままにしても問題ありませんか?
A
空き家の相続人が不存在となってしまった場合について説明しますと、相続放棄をした時点で空き家を現に占有していたのでない限りは、法的には空き家を管理する義務はありません。
もっとも、空き家を放置していると、倒壊や火災の危険性が生じたり、草木が覆い茂って虫害や獣害の元にもなり、近隣の方に迷惑が生じる可能性もあります。
そのため、社会的な観点からは、可能であれば相続財産清算人の選任申立てをするのが良いと考えられます。